バイオマス分析サービス
カーボンニュートラルに貢献するバイオマス燃料の各種分析を実施しております。
工業分析、元素分析、発熱量等の一般性状分析はもちろん、灰に特化した分析や、ペレット向けの分析項目など非常に多くの分析メニューを提供しております。
また、弊社独自技術の「膠着度」を用いた、粗悪バイオマスのアグロメ生成傾向や添加剤評価も好評をいただいております。お気軽にお問合せください。
工業・元素分析、物性分析
項目(一例) | 評価内容 |
---|---|
工業分析、元素分析 | 燃料のもつ燃焼性や灰中未燃分、炭素・水素からエネルギー量など |
粒度分析 | ペレットの構成粒子径など |
ワイヤーバスケット試験 | 貯蔵時の状態を模擬し,自然発熱性の評価 |
構成要素分析 | リグニン,セルロースなどバイオマスの組成成分 |
灰の性状分析(バイオマスに特化した分析方法が必要です)
石炭と同様に分析した場合、合計が100%から大きく離れるため、バイオマスに特化した分析方法が必要です。
試験実施前
表面の盛り上がり
ガス発泡で膨張したバイオマス灰
高温加熱顕微鏡法(DIN 51730)は温度と形状の変化を可視的に捉えることができます。
また、ISO 21404等にも対応可能です。
ペレットの保管性 ~ 長さ・太さ・密度・安息角 ~
- 長さ、太さ
ペレットの長さ・太さを測定し、ペレット品質規格に適合しているか確認します。 - かさ密度
かさ密度を測定し、容積-重量を算出する基礎データを把握します。 - 安息角(静止角)
ペレットを積み上げた際に形成される「角度」を測定します。「長短比」「かさ密度」と合わせて、限られた面積で保管できる量を算出する基礎データになります。
項目/種類 | ペレットA | ペレットB |
---|---|---|
長さ40mm以下(%) | 90 | 99 |
太さ(mm) | 8.1 | 8.2 |
かさ密度(kg/m3) | 600 | 600 |
安息角(°) | 38 | 35 |
ペレットの安定性 〜 機械的耐久性・粉化度試験・リグニン量分析 ~
回転衝撃力に対する木質ペレットの耐粉化性能を求めます。ペレットをサイロに投入するシーンや,コンベア輸送するシーンなどで「どれだけ崩れないか」を評価する基礎データになります。
上記の耐回転衝撃力の他に、耐落下衝撃力を評価する「粉化度試験」、ペレットの「固まりやすさ」に影響する「リグニン含有量分析」も実施しています。
バイオマスの自然発熱性 〜 ワイヤーバスケット試験 ~
各種バイオマスの自然発熱性をワイヤーバスケット試験装置を用い、温度、ガス成分を測定して把握します。
ワイヤーバスケットへの充填状況
試験装置全体図
- 一定粒度に調整したバイオマスを10cm〜30cmのワイヤーバスケットに充填する。
- 乾燥機内に静置し、熱電対で温度、ガス分析計でガス成分を測定する。
ワイヤーバスケット試験で得られる温度・ガス濃度測定結果イメージ
試験温度 | 試験結果 | 試験時間 |
---|---|---|
170℃ | 発火無し | 温度到達後 24Hr |
180℃ | 発火あり | 温度到達後 6Hr |
190℃ | 発火あり | 温度到達後 2Hr |
上記の場合は180℃以上が発火温度となります。
まずはご気軽にご相談ください。
バイオマスの自然発熱性 ~ 示差熱量分析 ~
燃料を一定の速度で昇温し、重量変化と熱の出入りから、発火温度、燃焼温度を測定して発熱特性を把握します。
示差熱量分析で得られる、温度上昇にともなう重量・熱量変化の結果イメージ
ペレットの粉砕性 〜 ローラーミル試験 ~
ローラーミルを使って、ペレットの粉砕性を評価します
概要
石炭火力発電所に用いられている微粉炭ミルと同様の粉砕機構を持つ竪形ローラミル試験装置により、木質バイオマス(チップ、ペレット、半炭化ペレット、造粒物など)の粉砕性を評価します。
- 可変パラメーター:ローラー加圧力、テーブル回転数、試料量、粉砕時間
- 計測項目:粒度分布(篩分類)、粒径写真、ミル運転データ(消費電力kW,積算電力kWhなど)
得られる情報
時間-ふるい分布から、粉砕性の情報を取得することができます。これまでハードグローブ試験で実施できなかった燃料も評価可能です。
適用事例
ペレットの粉砕性優劣を評価可能です。データを蓄積することでデータベース化・良品調達にも役立ちます。
図2:ペレット2種のローラーミル試験結果
(赤枠、青枠内の数値差で優劣を把握可能)
石炭とトレファイド(半炭化)ペレットの違いを把握できます。トレファイドプロセスの検討にも役立ちます。
図3:石炭と半炭化ペレットのローラーミル試験結果
灰の付着性評価 ~灰の膠着度評価~
膠着度こうちゃくどの分析【 ラトラ試験機による灰の付着性評価 】
ラトラ試験機で温度と対象物のかたさの関係を定量的に把握し、その結果から伝熱管への付着性を予測評価します。比較的低温域での評価が可能です。
かたさと膠着度について
なぜ膠着度なのか? 圧壊強度や硬度では焼結体の「かたさ」を把握できません。
圧壊強度測定状況
- 10N以下の力で「かたさ」を評価する必要がある。
- いびつな形状の試料においても一律に評価する必要がある。
回転籠で力を均一に加えられる膠着度が最適。
膠着度と試料外観、付着予想の関係
バイオマス燃料の多様化検討 ~ アグロメレーション評価 ~
バイオマス発電で広く用いられる「流動層燃焼炉」では、使用するバイオマスによっては
流動媒体(珪砂)が凝集するアグロメレーションが発生し、流動不良となります。
当社では独自の分析・評価方法によりアグロメレーション性を評価します。
実際に発生したアグロメレーション
アグロメレーションのSEM-EDS解析
膠着度(ラトラ試験機)によるアグロメレーション評価
ラトラ試験機で温度と対象物のかたさの関係を定量的に把握(※1)し、アグロメレーション性を予測評価します。添加剤の評価も可能です。
※1 登録番号 P2004-361368A(JPN)
EFBと珪砂の混合比率評価
(EFB比率が10%を越えない運用が必要)
添加剤の評価
(ドロマイトの添加が効果的)